ベネズエラ人シェフがチョコレートを通じて貧しい女性たちを支援
恵まれない女性たちにチョコレートとカカオ豆のプロジェクトを通じて就業機会を与えているベネズエラ人シェフが、この度新設された10万ユーロ(11万米ドル相当)の料理賞の初の受賞者となりました。
マリア・フェルナンダ・ディ・ジャコッベ氏は、カカオ関連の教育、起業、経済発展システムを創り、生産者を支援し、女性が自らビジネスを立ち上げチョコレートを販売することを可能にしています。
マリア・フェルナンダ・ディ・ジャコッベ氏は、カカオ関連の教育、起業、経済発展システムを創り、生産者を支援し、女性が自らビジネスを立ち上げチョコレートを販売することを可能にしています。
「私たちはみなチョコレートを食べますが、その贅沢な原料は家族単位で働く人たちによって創り出されたものです。」同賞の審査員の一人であるヘストン・ブルメンタル氏は語ります。「彼女は料理と市井の人々の繋がりに気付かせてくれる大きなメッセージを送っているのです。」
バスク世界料理賞の審査員は、世界のベストレストラン50に近年選ばれたシェフたち――オステリア・フランチェスカーナのマッシモ・ボットゥラ、エル・セジェール・デ・カン・ロカのジョアン・ロカ、ノーマのレネ・レゼピ、エル・ブジのフェラン・アドリア、ファット・ダックのヘストン・ブルメンタル――も含めたトップ・シェフたちです。 同賞委員会はアルザックのエレナ・アルザックを委員長としています。
同賞はスペインのサン・セバスチャンにあるバスク料理センター及びバスク政府により、料理を通じて社会の向上に最も貢献したシェフを讃えるために創設されました。賞金は受賞者が選択したプロジェクトのために使用されます。
ディ・ジャコッベ氏は地元の生産者たちが収穫を増やし、この「Bean to Bar」運動を通じて世界中のショコラティエたちに輸出できるよう支援しています。彼女はまた、シモン・ボリバル大学と協同してカカオ産業経営プログラムを創設し、同プログラムからは現在までに1,500名が卒業、うち94%が女性です。
最終選考に残ったプロジェクトは全て教育、健康、研究、持続可能性のイノベーションや、社会起業、慈善活動、文化保護に焦点を当てたものでした。
文:リチャード・ヴァインズ
2016年7月11日付 「ブルームバーグ」記事より