シモン・ディアスは、ベネズエラ人のみならず、世界の人々に最も知られ、愛される作曲家の一人と言えるでしょう。彼の作品は国境を超え、特にスペイン語圏で、民族音楽を代表する人気曲としての地位を得てきました。2008年にはラテン・グラミー賞を受賞しています。数ある楽曲の中でも、『満月のトナーダ』（Tonada de Luna Llena）はブラジル人の人気歌手カエターノ・ヴェローゾが歌い、世界的に有名になりました。

さて、表題の『カバージョ・ビエホ』（Caballo Viejo,「老馬」の意）も、フリオ・イグレシアスなど非常に多数のアーティストがカバーした名曲です。1987年にはジプシー・キングスの楽曲に取り入れられ『バンボレオ』としてヒットし、フランス、イギリス、アメリカなど多くの国でゴールドディスクに認定されました。日本では1995年に発売され、ラテン系のクラブ・ディスコを賑わせました。こうして、ベネズエラの『カバージョ・ビエホ』は『バンボレオ』を通じて日本に浸透しました。