1961年に日本でも大ヒットし、その後
何度もカバーされてきた『コーヒー・ルンバ』。
ベネズエラの音楽が日本でヒットしたのは
これが初めてだったかも
コーヒールンバ/Moliendo Café
ベネズエラは、世界的な作曲家や演奏家を多く輩出しています。ベネズエラのポピュラー音楽が日本で聴かれるようになったのは今から50年以上も前のことです。1961年に歌手西田佐知子がベネズエラの曲をカバーした『コーヒールンバ』を歌い、ブームになりました。
1965年にはベネズエラ人歌手エディット・サルセドが東京を訪れ、原曲 ”Moliendo Café” (「コーヒーを挽きながら」の意)を披露しました。実際の作曲者はウゴ・ブランコですが、作曲当時未成年だったため、代わりに叔父ホセ・マンソ・ペローニの名前で登録され知られていると言われています。ちなみに、西田佐知子版の「昔アラブのえらいお坊さんが・・・」という歌詞は原曲の意味からは離れて作詞されたものです。(東京大学の石橋純教授が、原曲の日本語訳及び原曲に沿った日本語詞の作詞をされています。こちらからご覧ください。)
この曲は他にも、ザ・ピーナッツ、荻野目陽子、井上陽水など多数の著名な歌手、YOSHIRO広石(歌手)、上松美香(アルパ(ハープ)奏者)、ルシア塩満(同)など才能ある音楽家より演奏されてきました。なお、ルシア塩満は日本の著名なアルパ奏者で、コーヒールンバの作曲者ウゴ・ブランコは、彼女に捧げて「ルシア」という曲を作っています。コーヒールンバは海外でも愛され、著名なアーティストがカバーしてきました。ホセ・フェリシアーノ、イスマエル・リベラ、パコ・デ・ルシア、フリオ・イグレシアスなどが代表的です。現在では、ベネズエラ音楽を日本・ベネズエラ両国で演奏し普及する、東京大学の楽団 ”エストゥディアンティーナ駒場” が定番のレパートリーとしています。
◆ウゴ・ブランコによるインストゥルメンタル版:
https://www.youtube.com/watch?v=bPSsx0EvWl0
◆フリオ・イグレシアス版:
https://www.youtube.com/watch?v=KvQWmFF93fE
◆エストゥディアンティーナ駒場版(スペイン語歌詞/石橋純教授による日本語歌詞):
https://www.youtube.com/watch?v=FRzM0nh1V7M
コーヒーを挽きながら
詞:ウーゴ・ブランコ
訳:石橋 純
日が落ちると
影が息を吹きかえす
コーヒー農園の静けさの中で
また聞こえはじめる
寂しげな恋の歌のような
古びたコーヒー・ミルの音が
夜のまどろみのなかで
うめいているようだ
恋の苦しみ、寂しさ
黒人のマヌエルが胸にいだく
その苦悩のなかで
疲れることもなく夜を過ごす
コーヒーを挽きながら
コーヒーを挽きながら
詞:石橋 純
日が暮れ宵闇せまるそのころ
コーヒー園に聞こえてくる
寂しげな調べの歌声
夜のとばりのなかで
すすり泣くように
恋の痛手
苦しみ
黒い肌の男が
夜なべ仕事で
コーヒー挽きながら