マドゥーロ大統領に正統性はないのか?
新藤通弘氏(ラテンアメリカ研究者・教授)の分析を掲載します。
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マドゥーロ大統領に正統性はないのか?
日本のメディアでもほぼ例外なくマドゥーロ大統領が、法的に正当性をもたないと報道しています。国際的には、正当性をもたないということを理由に、米国、リマ・グループ(賛成国は少しずつ減ってきていますが)、EU 諸国の大半が、臨時大統領を自己宣言したグアイドー国会議長を正当な大統領と認めています。一方、キューバ、ニカラグア、ボリビア、メキシコ、カリコム諸国、アフリカ連合などは、グアイドー政権を認めていません。
正当性をもたないという非難の根拠は、①マドゥーロ政権は、2017 年 7 月独裁的に野党を排除して制憲議会を設立し、従来の議会を無力化した、②マドゥーロ大統領は、2016 年野党が要求する国民投票を拒否し、2018 年 5 月大統領選挙では有力野党候補を排除して当選した、というものです。
果たして、野党勢力は、法を守り、民主主義を守り、マドゥーロ政権を倒壊しようとしているのに、チャベス派は、無法な、非民主技的な、独裁的な政治運営を行っているのでしょうか。具体的に見てみましょう。
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