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ティラーソン米国務長官、ベネズエラでの軍事クーデターを示唆の写真

2018/02/12

ティラーソン米国務長官、ベネズエラでの軍事クーデターを示唆

ティラーソン米国務長官、ベネズエラでの軍事クーデターを示唆
 
米国のレックス・ティラーソン国務長官が「ベネズエラ政...

ティラーソン米国務長官、ベネズエラでの軍事クーデターを示唆

ティラーソン米国務長官、ベネズエラでの軍事クーデターを示唆

 

米国のレックス・ティラーソン国務長官が「ベネズエラ政府は間もなく国軍に転覆される可能性がある」と語った。

筆者:ライアン・マルレット・アウトトリム

【メキシコ・プエブラ、2018年2月2日】「ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が軍部の蜂起によって打倒される可能性がある」。レックス・ティラーソン米国務長官は2月1日、この的外れな発言を裏付ける証拠をまったく示すことなく、こう示唆した。同長官の発言を巡って、ソーシャルメディアでは怒りの声が沸き起こり、トランプ米政権の不祥事となった。

「ベネズエラ軍は国の体制転換を実行する主体となり得る」と述べ、ティラーソン長官は、軍部がマドゥロ大統領を追放すればベネズエラの政権移行は平和裏に成就できる、とほのめかした。

「ベネズエラの歴史、さらに他の中南米諸国で起きた史実に照らしてみれば、大抵の場合、それ(政権の非民主的な移行)を担ったのは軍隊である」。ティラーソン米国務長官はこう語った。

続けて、「事態が非常に悪化し、軍の指導者が『政府はもはや国民に奉仕できない』と判断すれば、平穏な政権移行が成し遂げられる」と述べた。

さらに同国務長官は「ベネズエラがそれに該当するかどうか確信は持てない」、「ベネズエラの体制転換を推奨しているわけではない」と述べた上で、「我々は体制転換やマドゥロ大統領の解任を支持してきたのではなく、 ベネズエラの現政権に憲法に立ち戻るよう勧めてきたのだ」と語った。

 米国の複数の報道官は「昨年7月のベネズエラ憲法制定議会選挙は違憲である。だが、ベネズエラの最高裁判所は選挙実施にあたり、制憲議会選挙の公示は1999年憲法の規定に完全に合致しているとの判断を示した」と主張している。

ティラーソン米国務長官は「軍事クーデターが起きれば、マドゥロ大統領はキューバに亡命する恐れがある」とも示唆した。

「ベネズエラの台所が少し熱くなりすぎたなら、彼は何人か友だちを連れてキューバに行けばいい。キューバでは海辺の素晴らしい大農園が与えられて、快適に暮らせる」。同長官はこう述べ、マドゥロ大統領を平和裏に追放するほうが武力行使に頼るより望ましい、との意向を示した。

「平和裏の政権移行、平穏な体制転換のほうがいつでもどんな他の手段よりましだ」と同国務長官は語った。

ベネズエラ軍指導部はティラーソン氏の発言を「内政干渉」とみなし、ニコラス・マドゥロ大統領率いる民主的に選出されたベネズエラの現政権を支持すると改めて明言した。

ベネズエラのウラジミール・パドリーノ国防相は、米国務長官の発言は米国が外交交渉を退け、軍事行動に備えるかもしれないとのサインだ、と語った。 米国は、コロンビアのベネズエラとの国境に隣接する数多くの軍事基地を管理し、ベネズエラ北部のほとんどの海岸地帯をパトロールしている。

 

「(ティラーソン長官)ごもっともだ。(ベネズエラには)問題がある。いいですか、混乱、無秩序、不安定化を引き起こすために金融面で我が国を迫害し、内政干渉しているのは明らかに米国なのだ」。パドリーノ国防相はこう言明した。

ティラーソン氏は、2017年初めに米国の国務長官に任命されて以来、カラカスでの政権交代を繰り返し求めている。米政権入りする前、同氏は10年以上も石油最大手のエクソンモービルの最高経営責任者(CEO)を務めていた。そのほとんどの期間、エクソンモービルはマドゥロ氏や前任の故ウゴ・チャベツ氏率いるベネズエラ政府との一連の訴訟に巻き込まれていた。昨年、世界銀行傘下の仲裁機関(投資紛争解決国際センター)が、チャベス政権時代に(エクソンモービルの)資産を国有化した補償としてベネズエラ政府に16億米ドルの支払いを命じた決定の一部を覆し、エクソンモービルは大打撃を被った。その後、昨年にトランプ政権は「ベネズエラでの軍事的選択も検討し得る」との声明を出した。

ベネズエラは先に、ワシントンの攻撃を非難し、マドゥロ大統領がトランプの米国を「人類史上最悪の犯罪帝国」と名指して対応した経緯があった。ベネズエラのホルヘ・アレアサ外相は「トランプ大統領は偏執狂のようにベネズエラへの攻撃に取りつかれている」と非難していた。

ベネズエラが地域外交を支える。

ティラーソン国務長官のこの発言は、予定されていたラテンアメリカ地域の諸国歴訪に先立って行われた、テキサス大学での演説で飛び出たものだ。同国務長官のこの直近の発言が発せられたとき、アレアサ外相は近隣諸国との連携を強化するため、独自の地域外交の旅に着手していた。この諸国歴訪はキューバから始まった。ホルヘ・アレアサ外相はキューバでワシントンからの攻撃に言及し、これに対抗する新たな協力と連帯を呼びかけた。

「(キューバ、ベネズエラの)両国は新段階に入った米帝国を監視している。ドナルド・トランプの登場で、帝国主義はさらに高いレベルに上がったと言える」。アレアサ外相はこう述べた。

 

翻訳:加治康男(独立ジャーナリスト)

 

出典:2018年2月2日付venezuelanalysis.com掲載記事

Tillerson Hints at Military Coup in Venezuela

https://venezuelanalysis.com/news/13636

 

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