ベネズエラの音楽家20名がピースボートで横浜を出航
カラカス市オーケストラの若手団員20名が、4月12日、NGOピースボートの「第94回世界一周の船旅」により横浜港を出港し、母国ベネズエラへの旅路に就きました。
団員らは駐日ベネズエラ・ボリバル共和国大使館の企画により、東京、大阪、神戸、横浜でのコンサートやワークショップのため来日。滞在中は、由緒ある国際福祉協会(ILBS)の慈善舞踏会であるチェリーブロッサム・チャリティーボールなどで演奏したほか、今回の船旅で使用される客船オーシャンドリーム号の船内見学会でも演奏を披露しました。
出航に先立ち、記者会見が開かれました。セイコウ・イシカワ駐日ベネズエラ大使は、平和な世界を構築するための音楽の重要性を強調。ピースボートの吉岡達也共同代表は、核兵器のない、対話と理解に基づいた世界を達成するためにピースボートが行ってきた努力に言及しました。さらに、2名の被爆者及び1名の被爆2世が、心に響く核廃絶へのメッセージを訴えました。
船は、神戸に立ち寄った後4月13日に日本を離れ、シンガポールを皮切りに複数国を巡ります。カラカス市オーケストラの団員らは、船上や寄港先での交流プログラムでも音楽を披露したり教えたりする予定となっています。
ピースボートの客船にベネズエラの音楽家が乗船するのは今回で4度目。回を追うごとにその数は増加しており、他の乗船者や寄港先の人々に喜びを提供しています。
今回の旅のコーディネーター、松村真澄さんは、「より大きなことを達成できるよう出来ることは全てやる」と力強く語っていました。団員らは船上でのスポーツ、折り紙、演奏会、ワークショップ等あらゆる行事に参加する予定で、「たくさんの日本語を学ぶだろう」(松村さん)ということです。
航海の1日目には、早速、木管アンサンブルが歓迎パーティーで音色を披露し、乗船者からは演奏の質の高さに驚く声が寄せられました。ベネズエラで名声あるこのカラカス市オーケストラは、他にも金管アンサンブル、四重奏から八重奏までの弦楽アンサンブル、弦楽器と種々の管楽器とのアンサンブル等、自由自在の組み合わせでレパートリーを披露することが可能です。きっと、豊かなメロディーに溢れたベネズエラという国を、喜びと熱意をもって表現してくれることでしょう。
前出の松村さんからこのようなコメントも寄せられています。「ベネズエラの音楽家たちが、日本と世界の乗客から愛されるであろうことを、心から確信しています。」
こちらもご覧ください
○出航に関するメディアの報道
4月12日 日本経済新聞『世界一周で核廃絶訴え 被爆者らが船旅 』
4月12日 京都新聞『被爆者らピースボートで世界一周 核廃絶訴え、横浜出航』