「エル・カジャオのカーニバル」がユネスコ無形文化遺産に
ベネズエラの無形文化遺産に「エル・カジャオのカーニバル」が加わります。
エチオピアの首都アディスアベバで開かれていたユネスコの委員会が新たに登録を決定しました。
このカーニバルには近郊の住民や観光客など5万人以上が訪れ、エル・カジャオ市街を巡る山車や仮装行列のパレードを楽しみます。エル・カジャオ市はボリバル州南部に位置する鉱業の町です。町で行われる祭りはいずれも、ベネズエラ、アンティル諸島、アフリカの他、19世紀半ばにベネズエラに到着したインド人の文化までもが混ざり合ったものです。
カーニバルの始まりを告げるのは、ビルヘン・デル・カルメン教会で行われる伝統的な「ミサ・デ・ラス・マダマス(婦人のミサ)」。ミサの後、パレードがエル・カジャオ市のあらゆる通りを練り歩きます。

パレードの主役たちは色とりどりの衣装や仮面を纏い、あるいは楽器を携えて登場します。
中心となるのはマダマス(カラフルな衣装を纏った「婦人」)、メディオピント(肌に絵の具を塗り黒人に扮した人)、悪魔の仮装集団。皆、陽気なカリプソの演奏に合わせて踊りながら、山車に続いてパレードします。さらに何千人もの観光客や近隣都市の住民が加わります。この光景を見ると、ベネズエラ南部の並外れてポピュラーなこの祭りにおいて多様な人が共存していることがわかります。パレードに登場するこういった人物たちこそが、エル・カジャオのカーニバルを、国内外のどのカーニバルとも異なる独創的な行事にしているのです。
エル・カジャオのカーニバルが持つ多様な独自の側面は、地元の各家庭で語り継がれ、あるいは慣習を通じて伝承されています。さらに地域の各学校でも学ばれています。今回ユネスコの無形文化遺産に登録されたことにより、エル・カジャオのカーニバルは保護され、ベネズエラの民間伝承の形が永く後世に伝わることでしょう。
