マドゥーロ大統領がトルコを訪問
ベネズエラ・ボリバル共和国のニコラス・マドゥーロ・モロス大統領は、10月9日(日)、第23回世界エネルギー会議出席のためトルコのイスタンブールに到着しました。石油価格の安定化戦略を継続し、さらにガス・石油・産業分野への国際的な投資を得ることを目的としています。世界エネルギー会議には80カ国以上が参加します。
会議のプレゼンテーションで、マドゥーロ大統領は、21世紀には「多極化された現在の世界で芽生えた新しい地政学、新しい地政経済学が、いまあらゆる側面で興り、明らかとなり、花開き始めている」と述べました。
また、ベネズエラが世界最大の石油確認埋蔵量を持つことに言及しつつ、次のように述べました。「ベネズエラはこの100年間、エネルギーつまり原油の生産国であり輸出国であり続けてきた。我が国の経済、政治、文化的生活を作り上げてきた100年間である。」
さらに、過去数十年の石油経済モデルにより、富とベネズエラ経済の潜在力が石油依存の中で滞った状態にあることを考慮し、ベネズエラは経済モデルの多様化を急速に進めていっている、と強調しました。
マドゥーロ大統領はOPEC加盟国及び非加盟国に対し、対話、理解及び合意の原則のもと、確定的かつ決定的な合意を結ぶことを要請。また、「石油備蓄を回復させ投資を呼び込んで新しい技術を導入できるよう、現実的で公正な価格を達成することを目的とした、石油市場を安定化させる手段」の実施を求めました。この提案は、合意が「少なくとも10年間」、「市場を安定化及び発展させ、現実的で公正な価格を達成し、エネルギー分野全般及び石油分野で、今後30年間の投資と安定を確保」できるまでをカバーするものであることなどとしています。
トルコ滞在中、マドゥーロ大統領は、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領とユルドゥズ宮殿にて二国間の首脳会談を行いました。他にも、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領、OPECのモハメド・バルキンド事務局長とも個別に会談しました。
トルコ訪問により、特に次のような合意に署名しました。
・ベネズエラ・トルコ間のエネルギー協力補足協定
民間企業プロジェクトの検討及び実施を見込む協定。協定にはホセ・アントニオ・アンソアテギ工業団地の既存の港湾システムや運輸システムを最適化することなどが含まれます。資金は、トルコ国際石油会社(TPIC)が、ベネズエラが備蓄する石油コークスを販売し生じる収入により賄われます。さらに、2016年12月のカラカス・イスタンブール間の航空便開設以降トルコ航空の航空機へ燃料補充すること、並びに、PDVSAによる長期的なトルコ航空の航空機への燃料供給を見込んでいます。同様に、トルコにおける原油貯蔵施設の建設及び運営についても検討される予定で、地中海エリアの石油需要に応えることを見込んでいます。
・PDVSAとグローバル・ポーツ・ホールディングス間の了解覚書
PDVSAからグローバル・ポーツ・ホールディングス(GPH:世界最大級の港湾・クルーズ運営会社)への将来的な燃料供給に向けて、契約事項や条件を評価・決定するためのもの。GPHがオペレーションを行う港湾を利用するクルーザーやその他船舶の需要に応えることを狙いとします。