大使会見「ベネズエラ危機の真相」
・5月25日、セイコウ・イシカワ駐日ベネズエラ大使が「ベネズエラ危機の真相」と題して日本記者クラブで会見を行いました。この会見は、ベネズエラの政治状況の実際を日本のジャーナリストに説明するという、大使館の活動の一環として開催されました。
・会見には、日本記者クラブ会員及び日本の主要メディアの記者を中心に、50名以上が集まりました。
・メディア関係者のほか、カルロス・ペレイラ大使(キューバ)、サウル・アラナ大使(ニカラグア)、アンヘラ・アイリョン臨時代理大使(ボリビア)といったラテンアメリカの外交団、日本外務省、日本AALA常任理事、NGOピースボート事務局長、大学教授らも出席しました。
・会見では、イシカワ大使がベネズエラの複雑な政治・経済・社会状況を説明しました。また、事実を歪曲しベネズエラに暴力を生む目的で、国内外の一部メディアにより事実に反した報道(フェイクニュース)や前後関係を無視した報道が行われたり、SNSを通じた情報操作が蔓延したりしていることを指摘。これらと対比して、ベネズエラで本当に起きていることを紹介しました。
・イシカワ大使はまた、ベネズエラ政府が歳入の60%を投じて様々な社会計画を行い、貧困層の生活向上に努力していることが報じられていないと指摘しました。さらに、政府支持者によるデモ等も開催されており政府への国民の支持があるが、それを敢えて報じず、ボリバル主義革命の名を貶めようとする報道機関も存在すると述べました。
・イシカワ大使は、国民が直面している経済危機や困難の経緯にも言及し、経済戦争を通じてベネズエラ経済に打撃を加えようとする勢力があると述べました。
・最後にイシカワ大使は、ベネズエラでは現在、人に焦点を当て社会的正義を踏まえた代替的な発展モデルを創っているところであると説明し、その目的はすべての人の最大の幸福を達成することであるとしました。また、日本のメディアがベネズエラに対するネガティブ・キャンペーンの一部となってしまうことのないよう、ベネズエラに関する情報について、より広い角度から十分に調査するよう呼びかけました。さらに、メディアには真実の追究を通じてより人間的で公正かつ連帯した社会を創る力があるとし、その責任もあるとしました。
・質疑応答では、キューバ大使、ニカラグア大使、ボリビア臨時代理大使が、ニコラス・マドゥーロ大統領率いるボリバル主義革命への支持を示すとともに、ベネズエラの状況についてコメントしました。
・これに関して、キューバのペレイラ大使は、帝国主義的メディア・キャンペーンによるベネズエラへの攻撃の主な側面を指摘。これは、米国の利害関係者を集約してラテンアメリカの革命プロセスや左派を倒そうとした計画「コンドルプラン」の再来であるとし、今回は以前のコンドルプランと手法は異なるものの目的は同じであり、ベネズエラが標的となっていると述べました。また、米州機構(OAS)に反ベネズエラ的意図が働いており、同機構事務総長はラテンアメリカのその他の現実には目を瞑る一方で、自らの権限を越えてでも対ベネズエラ行動をとっていると指摘しました。
・ニカラグアのアラナ大使はベネズエラ政府への支持を表明。ベネズエラが現在置かれた状況は、米国がラテンアメリカ地域に及ぼしてきた歴史的な影響を象徴するものだと述べました。
会見の模様を以下からご覧いただけます。
■会見リポート:日本記者クラブウェブサイト
■動画:日本記者クラブYoutube